プロジェクトXぐんまアリーナ(群馬県総合スポーツセンター)風量測定、調整、気流測定


■ 構造
鉄骨造、鉄筋コンクリート造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造、4階建

■ 延床面積 20,556m2

■ メインフロア 3,664m2
バスケットボール4面、バレーボール4面、テニス4面、バドミントン16面、ハンドボール2面、体操、卓球、各種イベント等

■ 観客席
固定席3・225席 、移動席2・208席、最大収容 約6,700席

■ 付属設備
大型映像装置、電光得点表示装置、音響装置、放送設備、舞台用装置、舞台照明装置、仮設ステージ、テニスコートマット、バドミントンコート、マット、バレーボールコートマット

■ 付属施設
男女更衣室、シャワー室2、スポーツサウナ2、選手控室4、ミーティングルーム2、記者室、映像操作室、放送室、喫煙室、休憩ラウンジ、管理事務室、特別室、応接室、医務室 等





さて当社エンジニアはこの施設内の気流分布を測定することを依頼され、七転八倒するのですが、初めに考えついたのが、吹き流し、風見鶏、風船を飛ばしてビデオ撮影で追う、シャボン玉を飛ばす、でした。

しかし初めの二者は、風速が1.5m/秒はないと動きません。しかも平面上の方向は分かっても上下方向は分かりません。ちなみに測定しようとしている風速は0.5m/秒もしくはそれ以下です。風船を飛ばしてもどこに行くか分からないのと、おもりを調節して均衡を保つのがやっかい、しかも風速は計れません。

シャボン玉では数秒から数十秒しか見ることが出来ません。結局自分で作ることにしました。試作を繰り返し、試行錯誤の末0.3m/秒でも風向をちゃんと示してくれる微風速風向計を作ったのです。

BOBという名のプロ製作者を巻き込んでのことでした。作ったは良いが、この巨大な空間にどのように配置するのか。それがもう一つの課題でした。結局キャットウォークといわれる天井裏の廊下から身を乗り出し、天井板の隙間から紐を垂らし、滑車を付けそれに吊すことにしたのです。

ここで思いがけない問題にぶつかりました。天井から滑車に掛けた紐を井戸のつるべのように下から引くともう一方の紐は上に揚がる輪にしました。しかし25メートルも垂らすと2本の紐は絡まって、まっすぐな2本の紐とはならないのです。

なんと紐にも編み方の違いがあって、単に撚った紐ではダメでした。いわば三つ編みのように引っ張ってもよじれないタイプの編み方でないと問題が起こることが分かり、買い換えました。一箇所50mですから50m×4×6=1200mです!

もう一つの課題はどうして3m、8m、15m、20mの高さで風速を測るかでした。これには微風速計のセンサーと本体とをつなぐケーブルを長くし、ケーブルが長くなったことで狂いが生じないように校正する工夫が必要でした。そしてある日現場に乗り込み、測定は始まったのです。初め風向計や長いケーブルの取り扱い、規定の高さまで測定器を揚げるため紐を引っ張る担当と3人掛かりで恐る恐るでしたが、次第に慣れ、3日間で全て測定は終わりました。

その報告書をどう見やすくするか、それが次の課題でした。

結局、透明フィルムに各高さでの風速、風向を矢印の向き、長さで表し、それを重ねることで全てが一覧でき、各フィルムにはより詳細な数値データを載せることで解決しました。条件を変え縦割り、横割りの図面、矢印データーは50枚にも及ぶものでした。







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