プロジェクトX巨大百貨店の設備に立ち向かった男達がいた


地下3階から地上10階近くに及ぶ建物のなかを、いくつも系統で縦にはしるコンクリートダクト。
あるとき最下階の駐車場で排煙設備の能力が足りない、調べてくれという依頼が舞い込んだ。

まずは手順を踏んで風量測定からである。しかしどこで測る?
巨大な排煙機が設置された機械室近くには測定口とか、吹出口はなかった。

彼は意を決した。「なければダクトの中に入って測定する!」
でもどうやって? 排煙機の吸い込み側に45cm角の点検口があった。その中には誰でも行ける。

しかしそのあとのダンパーはどうする?2つもある。しかもダンパーの隙間は17cm!彼は腹をくくった。
ここを通り抜けなければ測定はできない。測定できなければ調査はできない!
作業着を全部脱ぎ、不織り布のつなぎに身を包みダンパーをすり抜ける。


しかし問題はそれで終わりではなかった。縦ダクトにはハシゴも階段も手摺りもない。あるのは階毎に床に穴を空け、その床部分にむき出しとなった鉄筋が縦横に走っているだけ!その鉄筋の間隔20〜30cmの間をすり抜けていく必要がある。
その下の階までは約4.5mの高さ・・・一度降りるともう登ってくるのは不可能、その先出口はあるのか?!
しかも降りながらのダクト調査である。

スパイダーマンの如く壁伝いに降りていく。9階、8階・・・・・そして3階まできたとき彼は信じられない光景を見た!
コンクリートダクトを造っているブロックが一段、完全に抜け落ち、そこから風がブワーッと入り込んでいるではないか!
「ここだ〜!」それ見つけたのはいいが、苦闘は続く。地下3階まで降りていき、あるダクトの排煙口を中から開け這い出してきたときは奇跡の生還という気持ちを味わった。

2リットルのペットボトル2本を軽々と空け、渇きを癒す。そのあとなんともう一度挑戦したのである。
以後不可能と思われていたダンパーの向こう側調査がしばしば舞い込むようになった。






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