プロジェクトX延長7kmの埋設消火管、漏水調査に立ち向かった男達がいた


西葛西にある集合住宅群。それが今回の調査現場である。
いずれも50〜150戸規模の集合住宅が14棟立ち並ぶ。その間を埋設消火管が全長7kmにわたって敷設されており、漏れの確証はただ一つあるマンションの消火補助水槽に絶え間なく補給される1本の細い糸のような補給水。測定してみると200cc毎分!(右の写真の1/10のような水量です。1分間にコップ1杯の漏水!)

そんな漏れが見つかるのか!?「見つかる保証はありません。でもやってみましょう。」
まずは建物の敷地をぐるりと回り、あちこちの音聴調査から始める、長い、なが〜い挑戦が始まった。
数十カ所にある消火栓ボックス。
漏水は何も地中とは限らない、あらゆる可能性を一つずつしらみつぶしに探していく作業が始まった。


漏れの兆候は全くなし!「よし奥の手だ!」次の朝3時から漏水探知機で丹念に音聴していく。
早朝の小鳥のさえずりが耳に心地よい。(一番下の画像をクリックするとそれが楽しめます。)
3時間もスキャンするとその兆候が3カ所で見つかった。


ハンマードリルで試掘と行きたいが、早朝からダッダッダッとやるわけにも行かない。
午前9時を待って試掘に取りかかった。1カ所、2カ所とやっていくが見つからない。
最後に微かな音が聞こえたように感じた消火栓ボックスの近くが残った。
試しに相関式漏水探査機でも調査してみる。微かなピークが現れた。

「う〜ん、ここしかない、やってみよう!ここです!ここを掘って下さい〜!」
半信半疑の職人や顧客の冷ややかな目をよそに1m、1.2mと掘り進んだ。
はたして配管が現れ、そこからは微かにチリチリという漏水音が聞かれたが、掘ってあらわになった後でもその音を聞き分けるのは並大抵ではなかった・・・

彼らにとっては長い夜と長い朝であった。


発見の映像(別窓で動画再生します)






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